将来の野生復帰を目指して
本会は、各園館の実践例の検討と野外・実験室内での研究成果の共有とを通じて「野生動物の飼料・栄養に関わる飼育技術の向上と知識の深化」を共に目指す勉強会です。
分野発展の為には無くてはならないものであり、 現場で活用される事で更に研究が進む。
情報を共有化すると現場での理解も深まり、 動物飼育の技術がスピード持って向上する。
地球規模の環境破壊によって多くの生物種の絶滅が進行している中で、動物園が、「珍奇な生物の中世的見世物小屋」から、「動物と彼らの暮らす自然環境を展示」し、「地球環境保全に向けて次世代の教育に責任」をもつ施設へと進化していくのは当然の成り行きでしょう。現在では、さらに一歩進んで、「絶滅危惧種の遺伝資源保全」が動物園の目的として意識されるようになってきましたが、こうした流れのなかで「絶滅危惧種の生息域外保全の拠点化」すなわち「動物園における野生復帰個体群の準備」も一部の動物種を対象としてはじまっています。これらの動きに対応するためには、動物を健康に保ち増殖も可能にしたうえで再導入に備えて野生環境に適応可能な状態をつくることが必要になります。 これまでの動物園の飼料栄養管理は、各園館の実践の中で経験主義的に確立されたものが多く、根拠のはっきりしないものも見受けられました。本来の食物とその摂取量、成長曲線や適正体重が、わかっていない動物種がほとんどだからです。 飼育野生動物栄養研究会は、飼育のなかで個別に経験される様々な課題を、各園館の実践例の検討と野外での研究成果の共有を通じて解決するプラットフォームになろうと考えています。 飼育野生動物栄養研究会 会長 牛田一成
飼育野生動物栄養研究会は、様々な企業・団体からご支援いただいております。頂いたご支援は会活動の充実に用いられています。