お知らせ

飼育野生動物栄養研究会からのお知らせです。

飼育野生動物栄養研究会2023年度大会を、以下の要領で開催いたします。

■会場:富山大学五福キャンパス 理学部1号館 A424室
   (〒930-8555 富山市五福3190番地)

■日程:
 1日目
   2023年11月11日(土)午後 学術集会
  教育講演

   1.「コウノトリの保全 ~野生復帰とそれを支える飼育の取り組み~」(仮題)
    吉沢 拓祥(兵庫県立コウノトリの郷公園)
   2.「ライチョウ保護増殖事業における飼料の検討」(仮題)
    秋葉 由紀(富山市ファミリーパーク)

 2日目
   2023年11月12日(日)午前 学術集会
  特別講演

   「ネコの栄養学  ~リン酸・リン酸塩(Na・K)と腎臓の健康維持~」(仮題)
    迫田 順哉(ペット栄養管理士講師)

   2023年11月12日(日)午後 エクスカーション
  大会終了後、富山市ファミリーパークへ         
    
■大会長:村井 仁志(富山市ファミリーパーク)

■備考:2023年度大会では、本研究会サイト内の会員限定ページを利用したオンデマンド方式での開催をせずに、対面方式のみでの開催を予定しております。また、情報交換会の再開に加え、今年度大会からはエクスカーションの実施お予定しております。


2023野栄研大会ポスター


2023年度野栄研大会開催要領


2023年度野栄研大会要旨作成要領・発表要領


下記7点の教育講演・特別講演に関して,
講演全体を15分程度に切り分けて,講演アーカイブスに再度アップロードしました。

高木直子氏 :キリンの飼育管理、いまむかし(2020年度大会)
西窪 武氏 :キリンのブラウズを生産して(2020年度大会)
八代田真人氏:ブラウザーへの樹葉の給餌:重量の推定と栄養含量の特徴(2020年度大会)
河津 勲 氏:ウミガメの適正飼料を調べる_沖縄美ら海水族館の飼育研究事例(2021年度大会)
福岡拓也氏 :野生下におけるウミガメ類の食性解析(2021年度大会)
郡司芽久氏 :博物館標本の可能性_キリンの死亡状況と献体制度の利用状況(2021年度大会)
出口智久氏+諸坂佐利氏:
 越境性感染症から飼育動物を守る2010年口蹄疫禍での経験(2021年度大会)

通勤などの移動中などで気軽にご活用いただければ幸いです。


下記4点の基調講演を講演アーカイブスに加えました。

牛田一成氏:野生復帰を目指す野生動物の栄養管理と腸内細菌(2018年度設立大会)
諸坂佐利氏:動物園を取り巻く法環境:その現場と課題そして今後の展望(2018年度設立大会)
坂口英氏 :ウサギはなぜ糞を食べる?(2018年度設立大会)
宇根有美氏:飼育下野生動物やエキゾチックアニマルの食餌性代謝性疾患(2018年度設立大会)

上記の各動画は,講演全体を15分程度に切り分けて,現在アップロードしております。
これまでに公開していた各講演動画についても,今後同様の形でアップし直す予定です。
通勤などの移動中でも気軽にご活用いただければ幸いです。


2023年1月7日0時をもって、2022年度年次大会のオンデマンド配信は終了いたしました。
下記の基調講演・教育講演・特別講演を講演アーカイブスに加え、会員専用サイトの運用を再開いたします。


山本誉士氏:野生ペンギンの採餌行動と季節動態(2022年度大会・教育講演)
上田一生氏:海洋生物大量消費者としてのペンギンをどのように保全していくのか?(2022年度大会・教育講演)
宇根有美氏:いっときのまとめ 病性鑑定を通してみえてきたこと(2022年度大会・特別講演)
成島悦男氏:動物園動物の栄養問題はこれからの大きな課題(2018年度設立大会・基調講演)
小宮輝之氏:自然食か人工食か(2018年度設立大会・基調講演)
桐生大輔氏:リクガメの餌の組み立て方(2018年度設立大会・基調講演)


上記の動画は,講演全体を15分程度に切り分けて,現在アップロードしております。
これまでに公開していた各講演動画についても,今後同様の形でアップし直す予定です。
通勤などの移動中でも気軽にご活用いただければ幸いです。


 2022年今治大会に、ご参加いただきありがとうございました。長引く新型コロナウイルス感染症の流行状況を考慮しつつ、対面形式にこだわって開催した大会でした。そして、急遽の開催日変更があり、無事開催・終了できたことに安堵し、大変喜ばしく思っています。そして、改めて、このような状況下で、遠路、愛媛県今治の地へ、お越しいただいた会員の方々に深く感謝申し上げますとともに、大会運営委員会の方々のご尽力に、改めて御礼申し上げます。
 今回の大会は、陸と海の動物の餌を考えるとのことで、特に海の動物に関しては、野生動物の食性やその行動を知る絶好の機会になったと思っています。動物の生態を解析するにあたって、日々進歩する最新の技術を駆使して得られた科学的データーは、今まで想像の域を超えられなかった内容を現実の事象として描出しており、動物の1つ1つの行動の目的が理解しやすくなり、今回の特別講演で提示された事象によって、動物の巧みな生き残り戦略の一端を垣間見ることができました。
 そもそも、飼育野生動物(展示動物)のほぼすべてが生息域外飼育で、生息域の餌環境を再現することは困難で、植物食動物に至っては不可能といっても過言ではありません。そのような中で、従来の飼育方法を踏襲して、かつ、改良して、動物の健康増進と、それに関連する繁殖期間の延長は種の保存という意味で重要です。餌を確保するための行動=生きるための行動、正しく食はそのまま、生につながる重要なコンテンツです。生息域外飼育における餌問題の解決は、なかなか困難ではありますが、本研究会の使命として、これからも、問題を的確に把握し、情報発信することで、様々な分野の方々の共通の課題として、取り組みができるものと思います。併せて、生あるものは、必ず死にますが、死を十分に解析して得られた情報は、今後の飼育に生かされなくてはなりません。死しても、さらに、それを生かすといった考え方が、さらに定着するとよいと思っています。
飼育野生動物栄養研究会は、多様な職域、専門性を有する会員によって構成されています。「餌・栄養」というキーワードのみで、分野の垣根なく議論できる研究会として、これからも長く活動を続けていただけたらと思います。最後に、発表者ならびに座長の方々にお礼申し上げ、挨拶とさせていただきます。

宇根 有美(岡山理科大学獣医学部 教授)